<サンゴ礁地形とサンゴ群集の変遷:アクアポリス>

サンゴ礁の地形

「アクアポリス」とは、沖縄海洋博覧会記念公園のシンボルとして設置されていた大型海上展示施設の名称です。施設自体は2000年に撤去されましたが、過去の調査報告書で目印や海域の呼び名としてしばしば使われているので、現在もこの名称を使っています。
アクアポリスエリアのサンゴ礁は、外洋側にやや突き出していて、備瀬沖ほどではないにせよ冬の季節風による強い波を受ける場所です。礁池と礁原はさほど広くありません。礁斜面の浅いところは石灰岩基盤が櫛状になる縁溝・縁脚系が発達して起伏が大きく、水深4〜5mから傾斜が強くなります。


サンゴ群集の変遷

沖縄美ら海水族館が調査を開始した1988年以前の、アクアポリス周辺のサンゴ群集に関するデータや情報は残されていません。水族館前と同じく、アクアポリス周辺のサンゴ群集も1972年にオニヒトデの食害を受けて大部分が死滅したと思われます(1, 2, 3)。1988年のライン調査では、礁斜面の浅いところでは被度1%でほとんどサンゴがみられない状態でしたが、水深とともにハマサンゴ類やキクメイシ類が多くなり、水深約10mでは20%でした。1994年には、浅いところで卓状・散房花状のミドリイシ類が増加し、複数の地点で被度が50%をこえました。深いところでは枝状ハマサンゴ類とキクメイシ類が増え、水深約10mでの被度は32%でした。ところが、1998年にはミドリイシ類はほぼ死滅して、枝状ハマサンゴ類とキクメイシ類の小型群体を中心とするサンゴ群集が残り、全般的に被度が10%以下に低下しました。2003年には、ライン調査、5m方形枠調査のすべての地点で被度が6%以下になりました。
フォトトランセクト調査で測定した水深3mでのサンゴ被度は、2006年(1.0%)、2007年(0.9%)、2008年(1.0%)とほとんど変化がなかったのですが、2009年(1.5%)から2010年(3.2%)にかけてようやく増加に転じました。水深10mでは、フォトトランセクト調査を開始した2006年にはすでに枝状ハマサンゴ類の群集があって、被度は2008年に6.1%、2009年に8.6%、2010年に12.9%と、ゆっくり増加しています。