2.フォトトランセクト調査

cpc調査地点図

フォトトランセクト法とは、礁斜面の水深3mまたは10mに水平に設置したトランセクトラインに沿って、一定間隔で海底の写真を撮影し、その写真を室内のパソコンで解析してサンゴ被度や群集組成を調べる方法です。トランセクトラインの数や写真撮影の間隔は場所や目的によって様々ですが、沖縄美ら海水族館の調査では、長さ40mのラインを5本設置して、各ラインで40枚の写真を撮影しています。この調査方法により、1地点あたり200m の範囲をカバーしますので、サンゴ分布のばらつきを十分に平均化することができ、また、同時に複数の数値データが得られるため経年変化を統計的に比較することができます。
写真からサンゴを同定するので、分類学的なデータの質はさほど高くありませんが、同じレベルのデータを潜水観察で得る方法と比べれば野外調査の労力やコストを大幅に低減できます。調査記録として残された写真は後に検証あるいは見直しが可能で、別の目的の調査にも使用できます。野外調査には必ずしもサンゴの専門家が必要でなく、熟練したダイバーが写真撮影をすればデータが取得できるなど多くの利点があります。

フォトトランセクト調査結果
フォトトランセクト法調査モデル図

調査結果はkmz形式となっています。
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Google Earthは
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フォトトランセクト調査方法

cpc調査法

フォトトランセクト調査の野外作業は、4名以上のダイバーで実施します。調査対象となる地点には、水深3mと10m(いずれも低潮線からの水深)に始点を示す目印があり、1名のダイバーがそこから同じ水深を保って巻尺で40mのトランセクトラインを5本設置します。次に、デジタルカメラを持った2名のダイバーが、各ラインに沿って1m間隔で海底を撮影します(したがって、1地点あたりの合計写真枚数は200枚となります)。その後を追って、1名のダイバーが1〜3本目の各ラインの最初の10m、幅30cmの範囲内にみられるcpc調査法表、直径3cm以下のサンゴ幼群体の数を記録します。幼群体数の観察が終わったら、すべてのラインを回収します。1地点あたりの作業時間はおおむね2時間程度です。
撮影した海底の写真は、実験室内のパソコンで専用ソフトウェア(米国立サンゴ礁研究所製、ポイント・カウントCoral Point Count)を使用して解析します。このソフトウェアは、写真1枚あたり70個の規則的な格子点を設定し、それぞれの点の下にみられる底質やサンゴなどの生態系区分(表2)を入力することで、それぞれの被度が自動的に計算されるようになっています。