1.マンタ調査
マンタ法とは、小型ボートで曳かれるダイバーが、調査範囲の海底を直接観察してサンゴの分布状況を記録する方法です。観察によって得られるデータは、サンゴの被度階級(0~100%を5段階に区分)なので厳密な数値ではありませんが、対象海域全般にわたって連続的に取得できるので、サンゴ群集の範囲や攪乱(オニヒトデの大発生や白化現象)が起きた場所などを大局的に把握できます。
広い範囲を観察しますが、比較的短時間で実施できることもメリットです。沖縄海洋博覧会記念公園地先(約5キロメートル)の場合は約1時間半から2時間程度で調査は完了します。
調査結果はkmz形式となっています。
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Google Earthは
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マンタ調査方法
マンタ法は、1名のスノーケルダイバーと、1名の船上記録者で実施します。スノーケルダイバーは調査船の船尾にロープでくくりつけた板(マンタボード)につかまって、サンゴ礁の礁縁部(水深3~8m)を時速6~8kmのゆっくりした速度で曳かれながら海底を観察します。調査船は2分ごとに停止し、ダイバーはその間に観察した海底の底質、平均サンゴ被度やオニヒトデの数などをマンタボードの記録紙に記入します。調査船上の記録者は、停船した位置と時刻をポータブルGPSに記録します。ダイバーが記録する項目は表のとおりです。
マンタ調査結果
2006年から2011年までの6年間で備瀬北区域と備瀬西区域でハナヤサイサンゴ類とミドリイシ類を中心とするサンゴ群集の回復がすすみ、人工ビーチ・水族館区域や、アクアポリス区域でも回復のきざしが見えるようになりました。しかし、これらの区域では2011年にオニヒトデ食痕が急激に増加し、2012年の調査ではサンゴの被度階級が全体的に低下しました。2014年の調査ではおもに備瀬北でサンゴ被度が増加しましたが、オニヒトデの潜在的な分布がひろがっているようです。