4.礁池調査
一般的に、礁斜面のサンゴ分布は水深に平行な帯状(ゾーン状)になりますが、礁池のサンゴ分布は水平にひろがるパッチ状(モザイク状)になります。これは、サンゴの成長が、礁斜面ではおもに光の強さに影響を受けるのに対して、礁池では光の強さがほぼ一定なため底質や水流などに影響を受けるためです。したがって、礁池におけるサンゴの生息状況は、フォトトランセクト法や永久方形区のような線や点の調査ではなく、生息域を面的に把握することが望ましいのです。サンゴ礁生態系のひとつである海草藻場についても同じことがいえます。
沖縄美ら海水族館の調査では、備瀬集落沖から水族館前にひろがっている礁池を対象として、サンゴ群集や海草藻場が分布している範囲を調べてマップを作成し、それらの変化を追跡しています。
調査結果はkmz形式となっています。
Google Earthを使用してご覧下さい。
Google Earthは
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礁池調査方法
トレース調査
トレース調査の野外作業は、数名のスノーケルダイバーが実施します。ポータブルGPSレシーバーを携帯したスノーケルダイバーが、主要なサンゴ群集と海草藻場の周囲を遊泳して分布範囲を記録します。サンゴ群集や海草藻場の輪郭は、被度が約50%になっている部分としています。野外で取得したGPSのデータは、パソコンで空中写真上に表示できるように処理します。
グリッド調査
グリッド調査の野外作業は、1~2名のスノーケルダイバーが実施します。礁池の主要なサンゴ群集や海草藻場を代表する地点(グリッド状に設置)で、底質や生物群集の状況を確認するための調査です。各地点でみられる底質と生物種を記録し、水中景観を写真撮影します。