<エリアごとのサンゴ礁地形とサンゴ群集の変遷>
本部半島周辺のサンゴ礁では、1972年から1973年の間にオニヒトデが大発生して広範囲のサンゴ群集が食害をうけて死滅しました。1980年代後半から1990年代前半にかけてサンゴ群集は徐々に回復しましたが、1998年に起きた大規模な白化現象によって大部分のサンゴが再び死滅しました。現在、サンゴ群集は回復に向かっていると思われますが、その速さや群集構成が場所によって異なることが沖縄美ら海水族館の調査でわかってきました。ここでは、各調査エリアのサンゴ礁地形と、それぞれの礁斜面でみられるサンゴ群集の変遷について解説します。沖縄美ら海水族館がサンゴ礁調査を開始した1988年以前のサンゴ礁調査のデータや、調査エリア周辺の情報については、下記の論文や報告書を参考にしました。解説文中のカッコ内に示した番号は、文献の番号に対応しています。
参考文献
1. 浅海における海中の生態系に関する研究(オニヒトデ異常発生のメカニズムとその対策に関する研究), 環境庁, 1973年 <1972年に調査実施>
2. 瀬底島周辺サンゴ礁のオニヒトデによる攪乱に関するノート, 西平守孝・山里清・仲宗根幸男・香村真徳・新本洋允, 琉球列島の自然とその保護に関する基礎的研究, 1, 237-254p, 1974年 <1972年と1973年に調査実施>
3. オニヒトデのサンゴ礁生物群にあたえる影響(オニヒトデ大発生に関して), 財団法人沖縄県観光開発公社, 1976年 <1976年に調査実施>
4. A note on resurvey of coral communities and Acathaster populations around Okinawa Island in 1984, Kazuhiko Sakai・Katherine Muzik・Shigeo Nakamura・Moritaka Nishihira, Galaxea, 7, 41-51p, 1988 <1984年に調査実施>
5. 沖縄島周辺のサンゴ礁現況調査, 酒井一彦・藤田智康, 財団法人沖縄県環境科学検査センター編, さんご礁海域保全研究会第1回研究報告書, p3-152, 1988年 <1987年に調査実施>
6. 第4回自然環境保全基礎調査-海域生物環境調査報告書(藻場、干潟、サンゴ礁調査)第3巻サンゴ礁, 環境庁自然保護局・財団法人海中公園センター, 1994年 <1990年に調査実施>
7. 沿岸海域実態調査(沖縄島及び周辺離島)(平成4年度沖縄県企画開発部委託調査報告書), 財団法人沖縄県環境科学センター, 1993年 <1992年に調査実施>
8. 平成16年度リーフチェック推進事業報告書, 沖縄県文化環境部自然保護課, 2004年 <2004年に調査実施>